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反フェティシズム(『突破口』ドン・シーゲル)

音楽でも映画でも良いのだけれども、フェティシズムを持ち出されるのが苦手だ。自分の存在を表明するための唯一の手段であればしょうがないけれども、それが共同体を存続するための手段の場合、ぼくは辟易としてしまう。それって、自分の好きなものに対する冒涜になるのではないか。そんなことまでして、自分の好きなものを利用するなんて、ひどいことなのではないか。この主張が幼い事は承知している。だが我慢できないことは、どうしようもない。ぼくの好きな映画は、そんなフェティシズムからは無縁であって欲しいと思うし、そんなことから屹立して存在していると思う。何もないところから、突然現れる暴力に、ぼくは唖然とするばかりだ。その突然性がぼくに脅威を与えるのは、それがちゃんとした日常性を伴っているからだ。そう、その日常性は、フェティシズムからぼくを守るための、最大の盾になるんだ。