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映画にとって必要なもの(『ビッグ・ヒート 復讐は俺に任せろ』フリッツ・ラング)

ぼくにとって映画に必要なものは動作だ。動作が全てを支配する。動作とは効率的な動きだ。効率的とは目的を最小限の動きで達成することだ。登場人物が各々の思惑に対して効率的な動作を行い、物語が進んでゆく。それは理想郷であり、ぼくはその理想郷を見ることに、映画を観ることの快楽を結び付けている。効率的であるためには、用意周到でなければいけない。登場人物がどのようにして目的を達するのか、それは役者の動き方にもよるし、舞台設定にもよる。舞台設定の中で、何でもないものが不穏な雰囲気を醸し出し、それが役者の動作を決定するとしたら、それは完璧な映画空間と言えるだろう。あの沸騰したコーヒーメーカーの蒸気と、それに誘発されるリー・マーヴィンの動きこそ、ぼくが求めるものなのだ。