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偉そうにふるまいたい(『秋日和』小津安二郎)

若いころに対峙するのに苦手だった男たちのようになりたい。彼らは決してこちらを理解しようとしなかった。彼らの理解内にぼくたちを閉じ込めていた。その絶対的な精神的距離が、彼らを成熟させたものとして見せたし、その精神的距離の遠さが彼らと話をするのを、ぼくにためらわせた。実際に若くなくなると、若いものを若いものとして扱う、若いものを理解しない、というのは結構難しいものであることに気がつく。そこには屹立とした孤独を自身に内在させる必要があるからだ。理解できないのではなく、理解しないということは、そういうことだ。理解しなくて話すということの寂しさを、彼らは曖昧な笑みと偉そうな佇まいで紛らわす。でもそれは、決して消滅するものではなくて、周囲に拡散する。それを是とするか、非とするかは、各々の人間観に左右されるのだが、今のぼくにはそれが是として認識される。自然発生的に偉そうになりたい。ぼくが憧れるのはそういうことだ。