くだらないこと(『ウィークエンド』ジャン・リュック・ゴダール)

仏車を欲しいと思う。ぼくは車を新車を1台、中古車を1台買ったけれども、両方とも独車だ。ぼくが独車を購入したのは、自分があまり車をいじらないことを意味する。今乗っているのはカブリオレで、ソフト・トップだ。次に車を購入することがあれば、またソフト・トップを買いたいと思っている。仏車を欲しいと思うのは、独車にはない柔らかさに魅力を感じ始めたからだ。ファセル・ベガのカブリオレは、とても乗りごごちが良さそうに見えるが、ジャン・ヤンヌとミレーユ・ダルクが実際に運転する姿は、不愉快な裕福なカップルそのままで、車自体にも不愉快な印象を受けてしまった。むしろ日本車のS800の方に美しさを感じてしまう。それって、ジャン・ピエール・レオのどこにも安定しない佇まいが、車の形態に影響を与えているせいか。2CVの不格好さは、それが恰好悪ければ悪いほど、スタイリッシュに感じてしまう。プジョーの202、203はクラシカルすぎるが、204、404は今見るとそんなに悪くない。こんなくだらないことを考えさせるために、映画は存在する。